数々の栄光に彩られてきたマンチェスター・ユナイテッドの歴史の中で、悪夢のような苦い思い出となっているのが、このグレーを基調とした1995/96シーズンのアウェイモデルです。
1992/93シーズンと1993/94シーズンのプレミアリーグを連覇したものの、続く1994/95シーズンは伏兵ブラックバーン・ローヴァーズの後塵を拝し、僅か勝ち点1差でプレミアリーグ3連覇を逃したマンチェスター・ユナイテッド。
王者奪還を誓い臨んだ1995/96シーズンには、このアウェイモデルを5試合で使用しましたが、1分4敗と1度も勝利を挙げることが出来ませんでした。
極めつけは、4月13日に行なわれたサウサンプトンとのアウェイゲーム。
このアウェイモデルを着用して臨みましたが、前半で0-3と大差を付けられると、
選手からは『デザインが観客席と同化して味方選手が見つけにくい』と批判が噴出。これに対し当時のファーガソン監督は、『このユニフォームのせいだ』とハーフタイムでの
ユニフォーム交換を要求しました。
こうして前半と後半で違うユニフォームを着用するという、非常に珍しい事件がおこったのです。
ちなみに、その時着替えたモデルがこちらの青と白を基調としたサードモデル。
ハーフタイムで着替えたマンチェスター・ユナイテッドは、終了間際の後半89分にライアン・ギグスが1点を返したものの、結局1-3で敗戦。
その後、このユニフォームが試合で着用されることはありませんでした。
こうして悪夢のユニフォームと決別したマンチェスター・ユナイテッドは、その御利益なのか2シーズン振りにプレミアリーグのタイトルを奪還することに成功しました。