1990年代メキシコのゴールキーパーと言えばこのホルヘ・カンポスの名前を思い浮かべる方も多いはず。
公称175cmの身長(本人は175cmと言い張っていましたが、世間では168cm説が有力でした)と小柄ながら、その高い身体能力でメキシコ代表のゴールマウスに君臨しました。
また、ゴールキーパーだけでなくフォワードとしても一流で、前半はゴールキーパー、そして後半からはフォワードでプレーするなんて試合もあった、二刀流プレイヤーでもありました。
ただ、ホルヘ・カンポスの名を世界的に有名にしたのは、なんといっても彼が着用していたそのユニフォーム!
カンポス自身がデザインしたド派手なユニフォームはインパクト抜群で、1994年アメリカワールドカップでは世界中のサッカーファンの間で話題となりました。
そんな彼のデザインしたユニフォームは十数種のバリエーションありますが、そのうちの数種類が一般にも販売され、当時の日本にも輸入されました。
それがこちら。
背面はこちら
パンツ裏はこちら
まず、そのカラフルな色使いが目を引きますが、他のデザインでもピンクやイエローの蛍光色を多く使用していました。
さらに注目なのがその袖の長さ。8分袖ほどの長さで、ユニフォームとGKグローブとの間にチラリと腕が見える絶妙な長さが、ゆったりとした全体のシルエットと相まってカンポスのキャラを引き立てていました。
次に注目すべきは『J.CAMPOS』(ホルヘ・カンポス)の文字の多さ。
彼が彼自身のためにデザインしたユニフォームなので、当然と言えば当然なのですが、背中はもちろん、胸、襟、袖、太ももなど、パンツも合わせると合計8か所にJ.CAMPOSの文字がプリントされています。
これだけ書いてあれば誰が見てもカンポスのユニフォームだとわかりますね!
最後にこのユニフォームのパッケージですが、ユニフォームとパンツがクリアケースに一緒に収められた形で販売されました。
ユニフォームの他には、はにかんだ笑顔がまぶしい彼の特大フォトを使用した台紙と、彼のゴールキーパーとしての試合出場数などのデータとフォワードとしての出場データや、『CLUB JORGE CAMPOS』(クラブ・ホルヘ・カンポス)の会員証が印刷されたカードが同封されていました。
まるでアイドルグッズの付属品ような内容ですが、そのカードに記載された文章を少し訳してみると、
『 間違いなく、アカプルコのゴールキーパー、ホルヘ・カンポスは、メキシコ代表チームとプーマスへの参加と、世界中で注目を集めている彼のマルチな才能のおかげで、国際的な名声を得た人物となりました。
地球上で3番目に優れたゴールキーパーと見なされている彼は、主にピンク、黄色、オレンジ、紫、レモングリーンを含む、蛍光色の陽気なユニフォームのおかげで簡単に見分けることができます。
今回、全ての人々は、21世紀のメキシコのゴールキーパーであるホルヘ・カンポスが使用したオリジナルのユニフォームを着るチャンスをゲットしました。』
というような、これまた自己愛溢れる内容でした。
ちなみに、ホルヘ・カンポスはこのセルフプロデュースしたユニフォームを、1994年のアメリカワールドカップでも着用しました。当時のメキシコ代表はUMBROがユニフォームサプライヤーだったため、ユニフォームの胸にUMBROのロゴだけを後付けして出場していました。
しかし、1998年のフランスワールドカップでは自らデザインしたオリジナルユニフォームは着用が認められず、他のフィールドプレイヤーと同じユニフォームを着て出場しました。(チームがホーム用ユニフォームの時はアウェイ用ユニフォームを着用。)
90年代にその優れたプレーだけでなく、ユニフォームのデザインまでこなすマルチな才能で一時代を築いたホルヘ・カンポス。
現在の彼は、メキシコ国内でサンドイッチのチェーン店『SPORTORTAS CAMPOS』を展開しています。
お近くに行った際は是非寄ってみてください!
1番目と2番目のゴールキーパーは誰なんでしょう?