こちらは2001/02シーズンのコッパ・イタリア決勝、パルマvsユベントスのセカンドレグ用の選手用ユニフォームです。コッパ・イタリアとはイタリア国内のカップ戦で、セリエAのみならず、下部リーグのセリエBやレガ・プロ、セリエDのクラブが参加する日本でいう天皇杯に相当する大会です。
2018/19シーズンまではイタリアの通信会社TIM(テレコム・イタリア)が大会スポンサーを務めTIM CUPと呼ばれていました。
その為、このユニフォームのチームエンブレムの上にはFINALE TIM CUP 2001-02(TIMカップ決勝 2001-02)とプリントされています。その後、2019/20シーズンはコカ・コーラが大会スポンサーになったため、大会名はコッパ・イタリア コカ・コーラ(COPPA ITALIA Coca-Cola)になりました。
さらに2020/21シーズンからは再びTIMが大会スポンサーに復帰し、大会名もTIMVISION CUPとなりました。
今回紹介する2001/02シーズンの決勝戦は、ホーム&アウェイの2試合が行われ、ユベントスホームのファーストレグは2-1でユベントスの勝利。
そしてこのユニフォームで戦ったパルマホームのセカンドレグは1-0でパルマの勝利。2戦合計2-2となりましたが、アウェイゴールの差でパルマが優勝を飾りました。
ちなみこの値千金のアウェイゴールは、当時パルマに所属していた中田英寿が試合終了間際の90分に決めたものでした。
ファーストレグで使用されたのはこちらのサードモデルでした。この頃、セリエAをテレビで見ていた方はお気付きだと思いますが、この2001/02シーズンのパルマの胸スポンサーは主に乳製品を扱うイタリアの食品メーカーであるParmalatでした。
そして、リーグ戦で使用していたユニフォームにはParmalat社のJOYという製品の名前がプリントされていました。そして、コッパ・イタリア(TIM CUP)で使用したユニフォームには同じくParmalat社のフルーツジュースやネクターのブランドであるSantalがプリントされていました。
この時代、使用する大会によってスポンサーの表記を変えること自体はよくある事だったのですが、今回紹介するコッパ・イタリア決勝仕様のユニフォームは、胸のSantalの部分が少し変なのです。
胸のスポンサー部分をよく見ると少し凸凹としているのがお分かり頂けるでしょうか。
ユニフォームを裏返してみるとTIM CUP用のSantalではなく、またリーグ戦で使用していたJOYとも違うParmalatという社名が見えます。
実はこのユニフォーム、エンボス加工されたフロッキー素材のParmalatというスポンサー表記の上に、昇華プリントのSantal表記のスポンサー部分を被せ周りを縫い合わせているのです。随分と手の込んだことをしていますが、では、このParmalat表記のユニフォームは一体何なのでしょうか?
翌シーズンの2002/03シーズンはリーグ戦用でこのParmalat表記のユニフォームを使用しているので、わざわざ翌シーズンのユニフォームを使用して、しかもスポンサー部分だけをTIM CUP仕様に変更したのでしょうか。その可能性も無いとは言えませんが、実はこの2001/02シーズンのパルマはもう一つの大会に出場しています。
それはUEFA CUPです。
現在はUEFA ヨーロッパリーグと呼ばれている大会ですが、2008/09シーズンまではUEFA CUPと呼ばれていました。
このUEFA CUPでパルマが着ていたユニフォームの胸スポンサーがParmalatだったのです。
このシーズンのUEFA CUPでパルマは4回戦まで進出しますが、4回戦でイスラエルのハポエル・テルアビブを相手に2戦合計1-2で敗退してしまいます。
このハポエル・テルアビブとのセカンドレグが2002年2月28日。それ以降はもう使用されることのなくなったParmalatスポンサーのユニフォームですが、2002年5月10日に行われたコッパ・イタリア(TIM CUP)決勝のセカンドレグでひっそりと使用されていたというのが正解だと思われます。
なぜこんな手の込んだ事をしてまでUEFA CUP用スポンサーのユニフォームを使用したかは定かではありませが、もしかすると、コッパ・イタリア(TIM CUP)で決勝まで勝ち残るとは予想していなかったサプライヤーが、コッパ・イタリア(TIM CUP)用スポンサーのユニフォームの在庫を切らしてしまい、4回戦で早々に姿を消したUEFA CUP用スポンサーのユニフォームが余っていたのでスポンサー部分だけを張り替えて使用したのかもしれませんね。
インテルのスポンサーにまつわる記事はこちら↓