ポルトガル代表といえば臙脂色のホームユニフォーム。
そしてコチラがアウェーユニフォーム!
黒を基調としたシンプルなユニフォームで、人気が出そうな1枚に仕上がっています。
しかし、2006年のドイツW杯では「ある理由」で全試合ホームユニフォームを着用することになりました。
その理由はアウェーユニフォームの「色」にあります。
FIFAのルールでは「濃・淡」一色ずつのユニフォームをホーム・アウェーで用意しなければなりません。
日本代表で例えましょう。
伝統の「青」が「濃」に当たるので、自ずとアウェーユニフォームは「淡」系の色を用意することになります。
なぜここまでFIFAが「濃淡」にこだわっているかというと、『白黒テレビで視聴しても見かけがつくように。』という配慮が理由となっています。
日本では白黒テレビに触れる機会が殆ど無いのでピンときませんが、スポーツイベントの中で世界最多の視聴者数を誇るワールドカップらしい配慮ですね。
ここでポルトガル代表のホーム・アウェーユニフォームを振り返ると、「濃・濃」の組み合わせとなっています。
この組み合わせでは「濃・淡」が取れず、FIFAのルールに反してしまいます。
ホーム扱いの試合ではポルトガル代表にユニフォームの優先権があるので問題はありませんが、アウェー扱いの試合では相手の配色に合わせる必要がありました。
最終的に「ポルトガル代表はアウェー扱いの試合でもホームユニフォームを着用、そして本来ユニフォームを選択できるはずのホーム扱いの対戦相手がポルトガル代表に合わせて「淡」のユニフォームを着る。」という強引な解決方法となりました。
ポルトガル代表はドイツW杯で7試合を戦い、内3試合はアウェー扱い(アンゴラ代表戦・イングランド代表戦・ドイツ代表戦)でした。
イングランド代表、ドイツ代表はホームユニフォームが白ですので「濃淡」が自ずと成立しましたが、アンゴラ代表のホームユニフォームは赤でしたのでポルトガル代表に合わせ白のアウェーユニフォームを着用しました。
アンゴラはポルトガルの植民地だった歴史があり、公用語はポルトガル語。
アンゴラ代表史上初のW杯、また旧宗主国との対戦ということもあり、アンゴラ代表vsポルトガル代表は注目された試合でもありました。
そんなこんなでポルトガル代表のアウェーユニフォームは本大会では着用が実現せず、親善試合での着用にとどまりました。
相手が淡色のユニフォームを選択しているなら濃色のアウェーユニフォーム着用があっても良いのに…と思ったのは私だけでしょうか。
それはまたいつお話できれば・・・と思います!