レアモデル

62年前の『スペルガの悲劇』を追悼する、2011/12コリンチャンスのサードモデル

2011/12シーズンのコリンチャンスは、サードモデルに見慣れないエンジを基調としたモデルを採用しました。これは、1949年5月4日、セリエA5連覇を目前に控えたACトリノ(現トリノFC)の選手18名とスタッフ5名を含む31名が犠牲となった飛行機事故『スペルガの悲劇』を追悼する意味が込められています。

当時『グランデ・トリノ』と呼ばれ、セリエAを4連覇し、5連覇も目前だったトリノは、ポルトガルのリスボンでベンフィカとの親善試合を終え、アリタリア航空のフィアットG.212 型機でトリノへの帰路に就きます。

しかし、天候不良からコントロールを誤り、トリノ郊外の丘の上に建つ『スペルガ聖堂』の外壁に激突し大破。乗客・乗員31名全員が犠牲となる痛ましい大事故となりました。

ACトリノは1914年にサンパウロでコリンチャンスと試合を行った最初の外国クラブであり、事故の前年1948年にもACトリノとの親善試合を行うなど、交流のあったブラジルのコリンチャンスは、このサッカー史に残る凄惨な事故の1年後、ポルトゲーザとの試合に『グランデ・トリノ』のユニフォームを着用。胸にスクデットパッチまで付けて試合に臨み、その収益金全てを被害者家族に寄付しました。

そして、事故から62年後の2011年に登場したこのサードモデルは、ACトリノのカラーであるエンジを採用。
右胸にはコリンチャンスの守護聖人である聖ゲルギオスが竜を退治する姿が描かれ、首の後ろには事故のあった年である1949の文字が刻まれています。

ちなみに、1949年当時リーグ戦4試合を残し、セリエA5連覇を目前だった状態で主力メンバーのほとんどを失ってしまったACトリノですが、そのままリーグ優勝を認定するというサッカー協会の申し出を断り、ユースチームのメンバーで残りの4試合を戦うことを表明。

これに対し、残り4試合の対戦相手も『グランデ・トリノ』に敬意を表しユースチームを出場させた結果、ACトリノがセリエA5連覇を達成しました。

ヴィンス君
ヴィンス君
事故から62年経ってもなお、ユニフォームのデザインでクラブ同士の絆を示すことが出来る。
やはり、ユニフォームっていいですね!