サッカーユニフォーム大好きヴィンス君が長年の経験をもとにユニフォームの真贋チェックをするこのコーナー。
第19回目はこちら↓1998年のアルゼンチン代表ホームユニフォームです。
日本代表が初出場を果たしたフランスW杯、初戦の相手がトゥールーズでのアルゼンチン代表戦でしたね。
ゴール後のマシンガンパフォーマンスで知られたガブリエル・バティストュータを筆頭に、C.ロペス、オルテガ、ベロン、シメオネ、サネッティなど各ポジションにスーパースターを揃えるタレント軍団で優勝候補にも挙がっていました。
日本代表との試合は、こぼれ球に反応したバティストュータのつま先タッチがゴールに吸い込まれ勝ち点3を獲得。
優勝候補らしい手堅い初戦となりました。
少し話は逸れますが、当時監督だったダニエル・パサレラは、母国アルゼンチンで”偉大なるキャプテン”や、”皇帝”と呼ばれるほど人気も知名度もある人物でした。
しかし、とても規律を重んじるタイプの指導者で、長髪・ピアスを禁止、つまりはチャラチャラするな、ということかもしれませんが、それが原因で度々選手と衝突してしまいました。
結果、長髪がトレードマークだった、レドンドやカニーヒアといった選手は召集を拒みメンバーから除外される事態に。
もし、彼らがいたら…と嘆いたサッカーファンも多かったのではないでしょうか。
(アルゼンチンは準々決勝でオランダに敗れ、ベスト8で大会を後にしました。)
それでは、話をユニフォームに戻してさっそく真贋checkへ参りましょう!
まずは、こちらをご覧ください。パッと見て、本物偽物の区別がつくでしょうか。
正直、これだけではほぼ判断できない、となるでしょう。
ネットオークションなどでユニフォームを購入するリスクはまさにここです。
それでは、より詳細を見ていきます。
見極めるポイントは4つ。
まず、1つ目はエンブレムです。使用しているゴールドの糸が全然違います。
偽物は、ゴールド?と首をかしげたくなる茶系が強めの金茶色。一方、本物はキラキラと輝くラメ入りのゴールドの糸を使用しています。
本物の方は、ワールドカップの刺繍まで入っていて、これは価値が高いですね。
この糸の違いは第2、第3の見極めポイントでも登場します。
次に、2つ目は裾タグです。はい、一目瞭然です。
同じくゴールドの糸に違いがハッキリと出ていますね。
どんどんいきます。違いはこんな所にも。
それが3つ目、もう一つの裾タグです。やはり、使用しているゴールドの糸が違います。
本物はこういった細かい刺繍部分にも、しっかりとラメ入りのゴールドの糸を使用しています。
偽物ではおざなりになりそうな箇所でも、しっかりとした繊細な作りこみが本物の証といえる良い例だと思います。
そして、最後の4つ目はadidas社の襟タグです。あ、もちろん首元のAFAも糸の色が違います。
しかし、今回注目していただきたいのが、その上の襟タグです。
まず色味ですが、偽物はadidasスリーラインロゴが薄い青なのに対して、本物はしっかりと濃い青でプリントされています。
国旗も含めて、全体的に色が薄めなのが偽者といえます。
さらに、偽物の方の国旗をよ~くご覧ください。
偽物の方は、スイスの国旗が無くなって、日本の国旗が一番上に陣取っています。
これは、半分正解で、半分不正解なタグとなります。
というのも、タグに日本国旗が入るようになったのは、1999年のユニフォームから。
同じadidas社を使用していた他のチームを例に見てみましょう。
こちらは、1999年のバイエルンのタグです。
こちらは、2000年のフランス代表のタグです。
こちらは、1999年の日本代表のタグです。
ご覧のように、adidas社のサイズ表記タグに日本国旗が入るのは、1999年からですので、1998年のユニフォームに日本国旗が入っているのに違和感を覚えますね。
ちなみに、なぜ1999年のユニフォームから日本の国旗が入るようになったのか。
それは、前年の1998年にアディダス・ジャパンが設立された事が大きく影響していると思われます。
※フェイク品の見分け方については同じモデルのユニフォームでも、それぞれ見分けるポイントはユニフォームによって異なります。
※同じモデルのユニフォームでも今回ご紹介したポイントが全て本物と同じクオリティーになっている場合もございますのでご注意ください。